基本原理とレーザーの定義
レーザー(LASER)は、「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の略で、日本語では「光の誘導放出による増幅」という意味です。レーザーは、特定の波長の光を増幅して、非常に高いエネルギー密度を持つ光を生成します。この光は、他の光源とは異なる特徴を持ち、非常に精密な制御が可能です。
レーザーの基本原理は、誘導放出と呼ばれる現象に基づいています。原子や分子がエネルギーを吸収して励起状態に移行し、その後、特定の波長の光を放出して基底状態に戻る際、この放出された光が他の励起状態の原子や分子を刺激し、同じ波長と位相を持つ光を放出することを誘発します。このプロセスを繰り返すことで、光が増幅され、レーザー光が生成されます。
レーザ光が生成される仕組み
まず初めに、原子に向かって光子(光の束)を飛ばします。そうすると原子が、当たってきた光子と全く同じ性質の光子を生み出します。こうした衝突を通じての光子の増幅をLight Amplificationといい、光子を増幅させた原子は、エネルギーが低い状態へと変化します。
さらなる光の増幅を促すため、原子を挟むようにしてミラーが設置すると、光子が反射し行ったり来たりを繰り返す中で、より増幅されていきます。増幅された光子は、全て同じエネルギー性質、進行方向をもっているため、最終的に放出口からレーザ光として放出されます。これがレーザの基本的な仕組みです。より厳密な定義については、学術書をご参考ください。
解説参考元:Tout est quantique-La Physique Autrement
レーザー技術の歴史
レーザー技術は1960年にセオドア・メイマンが最初の実用的なレーザーを開発したことから始まりました。最初のレーザーは、ルビーレーザーと呼ばれる赤い光を発する装置でした。その後、レーザー技術は急速に発展し、工業、医療、通信などのさまざまな分野で広く応用されています。
参考元: Japan Prize
レーザー光の特性
レーザー光は以下の3つの特性を持っています
コヒーレンス(Coherence) | レーザー光は、非常に高い時間的および空間的コヒーレンスを持ち、長距離にわたって直進し、焦点を絞ることが可能です。 |
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モノクロマティシティ(Monochromaticity) | レーザー光は非常に狭い波長帯域を持つ単色光です。この特性により、特定の波長での精密な操作や測定が可能になります。 |
高指向性(High Directionality) | レーザー光は非常に狭いビームとして放射され、エネルギーが集中的に伝達されます。このため、加工や医療などでの高精度な応用が可能です。 |
レーザー技術の応用分野
工業加工
レーザーは工業加工で広く利用されています。たとえば、金属やプラスチックの切断や溶接、マーキングなどが行われています。レーザーの高エネルギー密度と精密な制御能力により、非常に細かい作業や高速での処理が可能です。
科学技術
レーザーは科学技術の分野でも重要な役割を果たしています。たとえば、分光法では物質の特性を分析するためにレーザー光が使用され、ホログラフィーでは三次元画像を生成するためにレーザーが利用されています。
エンターテインメント
エンターテインメント分野では、レーザーショーや3Dプリンティングにレーザーが使用されています。これにより、視覚的に魅力的なパフォーマンスや、精密な3Dモデルの作成が可能になります。
透明材料のレーザー加工における課題
これだけ様々なことが可能なレーザにも、苦手がことがあります。それはガラスやサファイアなどの「透明材料」の加工。その理由を以下でご説明します。
ガラスやサファイアの特性
ガラスやサファイアは、その透明性と耐久性から、多くの産業で重要な材料として使用されています。しかし、これらの材料は非常に硬く、従来の機械的加工方法では容易に破損する可能性があります。また、これらの材料はレーザー光を透過しやすいため、通常のレーザー加工ではエネルギーが材料内部に効果的に伝達されず、精密な加工が困難です。
従来の加工方法の限界
従来の機械加工や研削方法では、透明材料を加工する際に高い精度を維持することが難しく、特に複雑な形状や微細な構造を加工する場合には限界があります。また、これらの方法では、材料の内部応力や温度変化によってクラックや破損が生じるリスクが高まります。
透明材料に対するレーザー加工の技術的課題
透明材料に対するレーザー加工の技術的課題として、レーザー光が材料内部に効果的にエネルギーを伝達するためには、特定の波長やパルス幅を選択する必要があります。また、レーザーの焦点を材料内部に精密に合わせることで、望ましい加工結果を得るための高度な技術が求められます。
SEISHINが生み出したステルスダイシング加工機
SEISHINが提供するステルスダイシング加工機は、ガラスやサファイアなどの透明材料の加工において、従来の加工方法では達成できなかった精密さと効率性を実現しています。この装置は、レーザー光を透明材料内部に焦点を合わせることで、非破壊的に内部から材料を切断する「ステルスダイシング」技術を採用しています。これにより、表面にダメージを与えずに高精度な加工が可能となり、製品の歩留まりを大幅に向上させることができます。また、ステルスダイシング加工機は、サファイアや強化ガラスといった難加工材料に対しても、優れた結果を提供します。従来の機械加工では対応が難しい微細な形状や複雑なパターンにも対応できるため、高度な精密加工が求められる分野での応用が期待されています。
透明材料の加工において他社に先駆けた独自のソリューションを提供してきたSEISHINのステルスダイシング加工機。透明材料以外にもさまざまなサンプルを加工できます。
サンプルデモ実施中
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