SEISHIN Story

西進ストーリー

設計室の様子

Technical Capabilities
Story 01
「世の中にない装置」を
生み出す技術力

設計室の様子 設計室の様子

西進商事は商社でもあるとともに、電子部品の量産装置などを製造・販売するメーカーでもあります。大きな会社ではありませんが、開発した技術や印刷機が世界のスタンダードとして採用されるなど、業界内での存在感は決して小さくありません。技術部の山口さんを訪ね、私たちの社会や暮らしに役立つ装置を生み出し続ける「西進商事の技術力」について、歴史を振り返りながら教えていただきました。

西進商事が自社製造を始めたきっかけの一つが、
お客さまからの要望だったと伺いました。

山口そうですね。1970年代後半から取引のあるNEC(日本電気株式会社)には、さまざまなレーザー発振器があり、当社ではお客さまの要望に合わせてカスタマイズしたレーザー加工機を開発してもらい納入していました。ある時、お客さまから「もっと手軽で、価格を抑えたレーザースクライバーがほしい」という要望をいただいたので、NECに開発を依頼したのですが、なかなか完成しませんでした。

それは、どうしてでしょうか?

山口憶測ですが、NECには高精度のレーザースクライバーがあったので、そちらを買ってほしかったのかもしれません。ただ、その製品はお客さまにとってオーバースペックだったんですね。こちらからも量産する意思を伝えましたが状況は変わらない。そこで、技術室のある西進商事が、自ら開発することを決めたんです。

開発にはさまざまな苦労があったかと思います。

山口他社製の同等製品と比べて半分ほどの大きさにすることが必要で、これには頭を悩ませました。と言うのも、当時の技術室があったのはビルの6階だったのですが、業務用のエレベーターがなく、出荷するためには人用のエレベーターに納めなくてはいけなかったんです。試行錯誤の末に、床面積で90cm x 140cmにサイズダウンさせることに成功しました。小さくて、高性能な装置は、500台ほどを売るヒット商品になりました。

当時の技術室 当時の技術室

装置の開発期間は、どれくらいかかるのでしょうか?

山口装置によりますが、1〜2年ほどかかります。あるお客さまの例では、「幅100〜200ミクロン※の幅でVの字に溝を掘るレーザー加工機の精度を、さらに上げたい」という要望がありました。最初は、レーザーの種類を変えればすぐに完成すると考えていましたが、反射光が発生したり、レーザーの出力が安定しなかったりと、問題が続出しました。2年ほどかかって、やっと形になりました。

想定外のトラブルを解決し、ついに完成ですね。

山口はい、ただお客さまへ納入して終わりではなく、そこから現場で微調整する必要があります。求める性能に届かず、「持って帰ってください」と言われたこともありました。営業と技術が一丸となって改良を続け、お客さまの期待を超える装置に仕上げていく必要があったんですね。ですので、西進商事の技術力は、お客さまが育ててくれたと言っても、決して言い過ぎではありません。お客さまの高い要望やトラブルが起こっても、立ち向かっていけるのは、「世の中にない装置を作りたい」「標準以上の提案をしたい」という思いを、従業員みんなが持っているからだと思います。

開発の様子 開発の様子

※ミクロン(μ) 
1ミクロンは1mmの1000分の1

最新技術を取り入れ、
未来を切り開く装置を開発

レーザー加工機の他にも、どのような装置を開発されたのですか?

山口1970年代、車検証の登録に使うマークシートを読み取る装置を日本全国に納入していました。さらに、登録されたデータを活用し、税金の自動算出や登録車種を集計する電算システムを開発したこともありました。

装置だけでなく、データを活用するサービスも手がけていたのですね。

山口ユニークなものでは、足を計測し、足袋を自動選別する「タビフィッター」があります。デパートや呉服店で利用するため、人が乗っても安全な構造、お客さまに威圧感を与えないデザイン性など、これまでの装置開発とは違うものが求められました。30年以上前の装置ですが、「タビフィッター」の名前を出すと、「何ですか?それ」と聞かれることが多いですね。今も数台が現役として活躍しているそうですよ。

タビフィッター タビフィッター

これまでのさまざまな装置の開発技術が、

山口はい。2010年には、光技術関連で世界的に知られ、ダイシング(半導体チップの切り離し作業)の特許を持つ浜松ホトニクスとの協業が始まりました。2013年にはスマートフォン向け素材のレーザー加工機を完成させ、世界の一流メーカーで採用されるまでになりました。これからもレーザー加工装置をはじめ、世界をより良くするオリジナリティのある装置の開発に取り組んでいきたいと思います。

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